特集記事:ボツワナの産業多角化と生活の質向上に向けた歩み「50年にわたる日・ボツワナ協力の軌跡」
令和8年4月10日
今から約50年前、1977年の通信分野の研修員受け入れを皮切りに、日本はボツワナのニーズに応えた協力を展開してきました。ボツワナは、ダイヤモンドを始めとする鉱物資源にその収入の多くを依存するため、産業多角化は喫緊の課題です。また、所得格差や社会サービスの質、気候変動及び急速な都市化に伴う環境悪化など人々の生活の質には課題があります。このような状況の中で、1980~1990年代は電力、道路、水道などの大規模基礎インフラの整備に重点的に、その後2010年代から今日に至るまで産業の多角化と生活の質向上を対ボツワナ協力の基本方針として各分野で事業を実施しています。以下、産業多角化に向けた有償資金協力、技術協力の協力事例についてご紹介します。
・産業多角化を下支えするインフラ整備
産業の基盤となる大規模基礎インフラ整備については、有償資金協力によって、1985年のモルプレ発電所拡張計画を始めとして、鉄道貨車増強事業(1988年)、カラハリ道路建設事業(1993年)、南北浄水計画(1995年)を実施し、産業多角化の基礎固めに貢献しました。
情報通信分野では、ボツワナ政府が地上デジタル放送の日本方式を採用したことを受けて、「地上デジタル放送日本方式実施プロジェクト(2014~2016年)」により地デジに対応した番組制作などを支援しました。また、地デジを全国に普及するために、2017~2022年の間専門家派遣により全国アナログ停波戦略の策定を支援するとともに、全国アナログ停波に向けた普及啓発活動を行い、ボツワナは日本方式の導入国ではじめて地デジへの完全移行を達成した国となりました。
ボツワナ一国を超えた、南部アフリカ域内の経済開発を見据えた協力として、「カズングラ橋建設事業」が挙げられます。カズングラ地区は、ボツワナとザンビアを隔てるザンベジ川の両岸に位置し、南部アフリカ地域で重要な南北回廊上に位置します。2021年の完成により、輸送規模が限られるフェリーでは往来に大幅な時間を要していた貨物と人が滞留することなく円滑に国境を超えるようになりました。カズングラ橋は、2024年11月の大統領所信表明でも日本への謝辞が述べられるほど、対ボツワナ協力を代表する事業と言えます。カズングラの国境は、ボツワナでは初めて通関・出入国手続きを一体化する「ワンストップ・ボーダーポスト:OSBP」を導入しました。技術協力プロジェクト「南北回廊における円滑なOSBP運営管理能力強化プロジェクト(2020~2025)」では、OSBPが確実に機能するように、ボツワナ歳入庁(BURS)職員を主とする国境施設に関わる職員の能力強化やマニュアル整備を支援しました。BURSは、プロジェクトで強化された職員をナミビアなど他の国境に異動させるなどにより、ボツワナ全体の国境管理の改善に取り組んでいます。
最近のインフラ支援では、再生可能エネルギー比率を増加させるとのボツワナ政府の目標に応えるため、2024年から専門家を派遣して、民間投資を通じた再エネ導入を促進するための制度・組織体制を整備することを支援しています。
・産業多角化を促す具体的な取り組み
ダイヤモンド依存から脱却するための具体的な産業としては、観光、農業、製造業などが挙げられます。観光分野では、観光アドバイザー(2024~2026年)を派遣して、ボツワナの観光ゴールデンルートであるチョベ国立公園以外の地域で、新たな観光ゴールデンルートを目指す観光商品開発や、観光統計整備に取り組んでいます。
また、農産物の多くを南アフリカなど外国からの輸入に依存している状況を改善するために、JICAがアフリカ諸国に導入しているSHEPアプローチ(「作ってから売り先を探す」から「売れるものを作る」への意識変革を起こし、営農スキルや栽培スキル向上によって農家の園芸所得向上を目指すもの)をボツワナにも導入することを支援しています。農業分野では、2019年から2025年まで26名の研修員を日本で受け入れていますが、今後これまで以上に重点を置いて協力していく予定です。
さらに、製造業が十分に発達していない状況に対して、金融機関も含めて中小企業振興を促すための有償資金協力の実施に向けて調査を進めています。
・産業多角化と環境保全の両立
野生生物に立脚しているボツワナ観光にとって、環境保全は重要な課題のひとつです。国土の20%を占める森林は多様な生態系と多数の希少種の生息域となっているだけでなく、有用植物を有することから地域住民の貴重な収入源にもなっています。森林資源の統計的データの整備を支援するために実施した「国家森林モニタリングシステム強化プロジェクト(2013~2017年)」に引き続き、同プロジェクトで整備されたデータを基づく森林分野における協力の集大成として「森林・草原資源の保全と持続可能な利用のための能力強化プロジェクト(2021~2025年)」を実施しました。このプロジェクトでは、ボツワナ全土を対象に、エコツーリズムや長根苗の試験的導入などの9つのパイロット事業を通してカウンターパート機関である森林・草原局職員の能力強化を図りながら、マスタープラン案を策定して、森林・草原資源の持続的管理の強化に寄与しました。
・産業多角化を下支えするインフラ整備
産業の基盤となる大規模基礎インフラ整備については、有償資金協力によって、1985年のモルプレ発電所拡張計画を始めとして、鉄道貨車増強事業(1988年)、カラハリ道路建設事業(1993年)、南北浄水計画(1995年)を実施し、産業多角化の基礎固めに貢献しました。
情報通信分野では、ボツワナ政府が地上デジタル放送の日本方式を採用したことを受けて、「地上デジタル放送日本方式実施プロジェクト(2014~2016年)」により地デジに対応した番組制作などを支援しました。また、地デジを全国に普及するために、2017~2022年の間専門家派遣により全国アナログ停波戦略の策定を支援するとともに、全国アナログ停波に向けた普及啓発活動を行い、ボツワナは日本方式の導入国ではじめて地デジへの完全移行を達成した国となりました。
ボツワナ一国を超えた、南部アフリカ域内の経済開発を見据えた協力として、「カズングラ橋建設事業」が挙げられます。カズングラ地区は、ボツワナとザンビアを隔てるザンベジ川の両岸に位置し、南部アフリカ地域で重要な南北回廊上に位置します。2021年の完成により、輸送規模が限られるフェリーでは往来に大幅な時間を要していた貨物と人が滞留することなく円滑に国境を超えるようになりました。カズングラ橋は、2024年11月の大統領所信表明でも日本への謝辞が述べられるほど、対ボツワナ協力を代表する事業と言えます。カズングラの国境は、ボツワナでは初めて通関・出入国手続きを一体化する「ワンストップ・ボーダーポスト:OSBP」を導入しました。技術協力プロジェクト「南北回廊における円滑なOSBP運営管理能力強化プロジェクト(2020~2025)」では、OSBPが確実に機能するように、ボツワナ歳入庁(BURS)職員を主とする国境施設に関わる職員の能力強化やマニュアル整備を支援しました。BURSは、プロジェクトで強化された職員をナミビアなど他の国境に異動させるなどにより、ボツワナ全体の国境管理の改善に取り組んでいます。
最近のインフラ支援では、再生可能エネルギー比率を増加させるとのボツワナ政府の目標に応えるため、2024年から専門家を派遣して、民間投資を通じた再エネ導入を促進するための制度・組織体制を整備することを支援しています。
・産業多角化を促す具体的な取り組み
ダイヤモンド依存から脱却するための具体的な産業としては、観光、農業、製造業などが挙げられます。観光分野では、観光アドバイザー(2024~2026年)を派遣して、ボツワナの観光ゴールデンルートであるチョベ国立公園以外の地域で、新たな観光ゴールデンルートを目指す観光商品開発や、観光統計整備に取り組んでいます。
また、農産物の多くを南アフリカなど外国からの輸入に依存している状況を改善するために、JICAがアフリカ諸国に導入しているSHEPアプローチ(「作ってから売り先を探す」から「売れるものを作る」への意識変革を起こし、営農スキルや栽培スキル向上によって農家の園芸所得向上を目指すもの)をボツワナにも導入することを支援しています。農業分野では、2019年から2025年まで26名の研修員を日本で受け入れていますが、今後これまで以上に重点を置いて協力していく予定です。
さらに、製造業が十分に発達していない状況に対して、金融機関も含めて中小企業振興を促すための有償資金協力の実施に向けて調査を進めています。
・産業多角化と環境保全の両立
野生生物に立脚しているボツワナ観光にとって、環境保全は重要な課題のひとつです。国土の20%を占める森林は多様な生態系と多数の希少種の生息域となっているだけでなく、有用植物を有することから地域住民の貴重な収入源にもなっています。森林資源の統計的データの整備を支援するために実施した「国家森林モニタリングシステム強化プロジェクト(2013~2017年)」に引き続き、同プロジェクトで整備されたデータを基づく森林分野における協力の集大成として「森林・草原資源の保全と持続可能な利用のための能力強化プロジェクト(2021~2025年)」を実施しました。このプロジェクトでは、ボツワナ全土を対象に、エコツーリズムや長根苗の試験的導入などの9つのパイロット事業を通してカウンターパート機関である森林・草原局職員の能力強化を図りながら、マスタープラン案を策定して、森林・草原資源の持続的管理の強化に寄与しました。

写真(1)1989年から稼働しているモルプレA火力発電所

写真(2)地デジに対応した番組制作技術を指導する専門家

写真(3)かつて利用されていたフェリー乗り場とカズングラ橋

写真(4)OSBP導入により一か所で出入国手続きが可能になった旅客ターミナル

写真(5) 海外協力隊がデザインした解説看板を説明する専門家
