記念寄稿:現役コミュニティ開発隊員からのメッセージ

令和8年4月10日
小学生との集合写真
日本とのオンライン交流中

自然と動物と平和に囲まれて|コミュニティ開発隊員 菅野祐哉

Dumelang!

2024年11月から2年間ボツワナ共和国に派遣されている菅野祐哉と申します。私は首都ハボロネから約7時間、人口約6,000人のマスンガ村で活動をしています。具体的にはノースイースト県庁の地域開発課に所属し、自治会の会議への出席や、零細事業主に対するビジネス・マネジメントの支援、地域の子供たちへのパソコン教室を行っています。

なぜ私が協力隊として活動をしているかという問いの原点は、子供の頃に見たテレビ番組にあります。学校に行けずに働いている子供たちがいるということに大きな衝撃を受けました。その後、電車の中吊り広告で協力隊を知り、「いつか行ってみたいな」という思いを募らせ、大人になって挑戦をしました。

活動をしていて、最も印象に残っているのが、村の小学校と日本の大学をオンラインで繋ぎ、授業を行ったことです。外国人がほとんどおらず、日本人も私以外いない村において、画面越しではありますが、多くの日本人と日本の大学の風景を見た時に子供たちが見せた驚きや興奮に満ちた表情は、今でも忘れられません。それ以降、私を見かけると「おはよう」「ありがとう」といった簡単な日本語で話しかけてくれるようになりました。日本語という無形のものではありますが、彼らの生活のなかに少しでも日本を残せたと思うと、うれしい限りです。私自身はボツワナの方々が家族やコミュニティを大切にして、常に気にかけている姿勢にとても感銘を受けました。日頃連絡をあまり取ることのなかった家族にも定期的に近況報告をし始めました。小さいことではありますが、私のなかにもボツワナが芽生えてきたのかなと感じています。

ボツワナに来て驚いたことの一つが整然とした街並みです。アフリカと聞くと、人や物が密集している「動」のイメージを持っていましたが、ボツワナはその逆で「静」です。これから迎え撃つであろうカオスな状況に対して、若干のファイティングポーズを取っていたのに、良い意味ですぐに拳をおろしたことを今でも覚えています。自然に囲まれてのんびりとした時間を過ごすことで、自分自身と向き合う時間が増え、日本にいた頃よりも自己理解が深まりました。もしかしたら「精神と時の部屋」的な役割をしているのかもしれません。

生活をしていて感じるボツワナの魅力は、自然と動物です。玄関を開ければ鶏やヤギがいたり、道を歩けば、牛やロバが道を横切っていたりと、本来なら非日常の光景のはずが、すっかりと日常になっているのを実感します。また昨年、世界遺産のオカバンゴ・デルタ地帯にあるサファリを訪れた際、自然の美しさと野生動物のたくましさに感動を覚えました。日本の動物園や自然公園では味わえない体験は、一生忘れられません。

今後とも日本とボツワナ両国の関係がさらに深まり、日本のなかでボツワナを感じられる瞬間、ボツワナのなかで日本を感じられる瞬間が今以上に増えていくことを心より願っています。
 
JICA海外協力隊
コミュニティ開発
菅野祐哉
 
写真| 自宅の庭に入ってきたヤギ
 
写真| 整然としているハボロネ市内


写真|ミスボツワナがマスンガ出身ということで凱旋パレード

  
写真(左) バレンタイン時に同僚と
写真(右)小規模ビジネスオーナーにインタビュー


写真| パン屋向けのWSでプレゼン

  
写真| マスンガ村中心地


写真|  自宅前

  
写真| サファリにて シマウマ
写真|  サファリにて アフリカゾウ